プロテインキナーゼ (Protein kinase) は、
タンパク質分子に
リン酸基を付加する(リン酸化する)
酵素である。タンパク質キナーゼあるいは英語風にプロテインカイネースとも呼ぶ。
キナーゼ(リン酸基転移酵素)の中でタンパク質をリン酸化するキナーゼをプロテインキナーゼと呼ぶが、このプロテインキナーゼのことを特にキナーゼと呼ぶことが多い(本記事では以後単にキナーゼという)。
細胞は、その機能を維持するため、細胞内のタンパク質をリン酸化、脱リン酸化する反応を繰り返している。このリン酸化によってタンパク質は酵素活性、細胞内での局在や他のタンパク質との会合状態を変化させる。細胞内の30%ものタンパク質がキナーゼによる変化を受け、細胞内における様々な
シグナル伝達や
代謝の調節因子として機能している。キナーゼ
遺伝子は
ヒトゲノム中に約500種類があり、また
真核生物の全遺伝子の約2%を占める。キナーゼは、
ATPのリン酸基を
アミノ酸残基にある
水酸基に移動させ、
共有結合させる活性(を有する。キナーゼはアミノ酸のうち、主に
セリン、
スレオニン,
チロシン残基をリン酸化させるが、キナーゼがリン酸化するアミノ酸の99%以上は
セリン、
スレオニンである(セリン/スレオニンキナーゼ)。しかし、0.1%に満たない
チロシンのリン酸化(チロシンキナーゼ)の方が生物学的に重要なケースが多い。これら3種類すべてに反応するものや、またこのほかに
微生物や
植物では
ヒスチジンの
イミダゾール環
窒素原子に反応するもの(ヒスチジンキナーゼ;EC 2.7.13に含まれる)もある。 キナーゼの活性は精密に調節されており、キナーゼ自身もリン酸化によってオン・オフ調節を受ける。これは他のキナーゼのみならず、自分自身によって行われることもあり、”自己リン酸化”という。これらの調節は他の活性化(または抑制)タンパク質や低分子
化合物の結合、細胞内での局在変化などによって起きる。
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