疫学(えきがく、Epidemiology)の定義は諸説あり、コンセンサスは得られていない。簡便な定義として「疫学とは生物集団における病気の流行状態を研究する学問」がある。すなわち、ある一時点/一期間での、ある一集団において、ある特定の病気が流行した場合、その流行の原因を調べ、その原因を除去することにより流行そのものを制御(終熄、予防)するための学問である。別名「流行病学」。疫学的研究では、
分析的手法として概念的な
単位を微視的なものではなく生物一個体に置く。すなわち、集団における病気を持つ個体の数を測定することにより、流行状態を頻度(有病率や罹患率など)として数量化する。集団生活を営む代表的な生物は人間であるため、疫学は人間集団に流行する病気の制御に用いられることが多いが、人為的に集団生活を営む動物(例えば
家畜、
産業動物)に流行する病気にも適応される(ただし、集団として捉えることが困難な野生動物に疫学は適応し難い)。したがって、疫学的手法は
医学、
獣医学の分野において多用される。歴史的に見ると、はじめに疫学は
急性疾患(とくに
感染症)の流行の制御に対して大きな成果をあげた。この成果に伴い社会の疾病構造が急性疾患から慢性疾患(とくに
生活習慣病)に変化したため、現在では長期間にわたる流行形態をとる慢性疾患の制御の研究にも疫学は用いられている。また、社会の
高齢化に伴い、病気の流行現象ではなく、逆に健康の流行現象を対象とする疫学的研究も多くなった。この意味において「疫学(疫=疫病、はやりやまい)」と言う用語は不適切なものとなってきている。最も素朴な説としては、「疫学は人間集団における
病気の発生に関する
学問」だとする説等がある参考文献1。また人間以外にも拡張した説としては、「疫学とは病気の発生に関する学問」だとする説等がある。参考文献2、獣医疫学、
参考文献6、
参考文献7また医学以外にも拡張した説としては、「疫学とは
日本語では疫の字に病垂(疒)が付くので
医学の一分野ではないかと誤解されていることが多いが、
英語では(epi; upon広範な -demos; people人間の -logos; study学問)と書き、人間集団に対するあらゆる因果関係の確認に用いられる学問」だとする説等がある参考文献3。
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