バアル (ウガリット語形 b‘l [ba‘alu])とは、
カナン地域を中心に各所で崇められた嵐と慈雨の神。その名はセム語で「主」を意味する。バールの表記も。もともとはハッド (hd [haddu])という名であった。この名は恐らく雷鳴の擬音と考えられる。しかし、ハッドが主神すなわちバアルと呼ばれ崇められているうちに、その呼称が固有名詞化し、後にはもっぱらバアルと呼ばれるようになった。本来、
カナン人の高位の神だったが、その信仰は周辺に広まり、
旧約聖書の
列王記下などにもその名がある。また、
エジプト神話にも取り入れられ同じ嵐の神の
セトと同一視された。
フェニキアやその植民地
カルタゴの最高神
モロクをバアル・ハンモンと結びつける説もある。さらに
ギリシアでもバアル (Βάαλ)の名で崇められた。
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