『天国と地獄』は、
1963年3月1日に公開された
黒澤明監督の
日本映画。2時間23分。
毎日映画コンクール 日本映画賞
エドガー・アラン・ポー賞受賞作品。1961年(昭和36年)に『
用心棒』『
椿三十郎』と娯楽
時代劇を世に送り、次回作には現代劇を構想していた黒澤が、たまたま読んだというエド・マクベインの小説『キングの身代金』(1959年、
87分署シリーズのひとつ)に触発され映画化。黒澤は当事の誘拐罪に対する刑の軽さ(未成年者誘拐罪で3ヶ月以上5年以下の懲役(刑法222条)、営利誘拐罪で1年以上20年以下の懲役(刑法223条))に憤っており、劇場公開時のパンフレットでも誘拐行為を批判している。映画は興行的には成功するが、一方で公開の翌4月には都内を中心に誘拐事件が多発し、3月31日には
吉展ちゃん誘拐殺人事件が発生。犯人は逮捕後、『天国と地獄』を見て思い立ったと供述している。その他にも数件、この映画を模したと思われる事件が起こっている。映画は公開中止にはならなかったが、国会でも問題として取り上げられ、
1964年(昭和39年)の刑法一部改正(「身の代金目的の略取」を追加)のきっかけになったという。
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