マルクス・ウィトルウィウス・ポリオ(Marcus Vitruvius Pollio−
紀元前80年/
70年 -
紀元前25年)は、
紀元前1世紀、
ローマ帝国初期に活動した
建築家・建築理論家である。『建築について』(De Architectura『建築十書』ともいわれる)を著した。この書物は現存する最古の建築理論書であり、おそらくはヨーロッパにおける最初の建築理論書でもある。ウィトルウィウスについては、『建築について』の著者であること以外には知られず、その出生年、没年、家系は不詳である。ただし著作からは彼が建築家であることは明らかであり、またアフリカ戦争時に
ガイウス・ユリウス・カエサルの下で勤務し、
アウグストゥスに仕えたことが確認できる。著作によって名声を得ようとしたようであるが、彼の『建築について』が
ローマ建築にどのような影響を与えたかは定かではない。『建築について』はおそらく
紀元前30年から
紀元前23年の間に書かれたと推測される。この書において最も知られた理論は、ある建築が成功するかどうかは、職人の技や形式ではなく、建築家の仕事が社会ともつ相関性に依存するというものである。また、「よい建築は、堅固さ、快適さ、快という三つの条件によって成り立つ」とする定式は多くウィトルウィウスに帰せられるが、これが直接彼の理論であるか、それとも翻訳者による敷衍であるかどうかについては議論がある。 『建築について』が現在に伝わるのは、
シャルルマーニュによる
カロリング朝ルネサンスの賜物である。他のラテン語著作と同様、このとき作られた多くの筆耕本によって、この本は伝えられた。現在残る写本は、その多くがこのときに製作された写本のひとつ、
大英博物館図書室所蔵ハーレイ写本2767番を定本としている。
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