イリアス

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イリアス
『イリアス』(希:ΙΛΙΆΣ、イーリアス、ラテン語:ILIAD、イリアッド)は、ホメロス(ホメーロス、ホーマー)によって作られたと伝えられている叙事詩である。ギリシア神話を題材とし、トロイア(イリオス)戦争十年目のある日に生じたアキレウスの怒りから、イリオスの英雄ヘクトルの葬儀までを描写する。ギリシアの叙事詩として最古のものながら、最高のものとして考えられている。叙事詩環(叙事詩圏)を構成する八つの叙事詩のなかの一つである。もともとは文字ではなく口承によって伝えられてきたもので、日本において琵琶法師が『平家物語』を演じたような格好で歌われていた。『オデュッセイア』第八歌には、パイエケス人たちがオデュッセウスを歓迎するために開いた宴に、そのような楽人デモドコスが登場する。オデュッセウスはデモドコスの歌うトロイア戦争の物語に涙を禁じえず、また、自身でトロイの木馬のくだりをリクエストし、再び涙を流した。イリアスの聴衆たちも、アキレウスと共にアガメムノンの理不尽を憤り、アキレウスがヘクトルへの復讐を果たしたくだりではカタルシスを覚えたことだろう。イリアスの作者とされるホメロス自身も、そのような楽人(あるいは吟遊詩人)だった。ホメロスによってイリアスが作られたというのは、紀元前8世紀半ば頃のことと考えられている。その後、イリアスは紀元前6世紀後半のアテナイにおいて文字化され、紀元前2世紀アレキサンドリアにおいて、われわれが今見ることのできるような形にまとめられたようだ。
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